2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴミの詩

眠ってる君の足元に転がる言葉は、昨日の夜酔って呟いたやつ まるで食べ終わったプリングルズ 見栄えは綺麗だけど中身はからっぽで空洞。 君の目が覚める前に拾い集めてゴミ箱に押し込もう 情けないね泣くほどじゃないけど情けないね 今日は燃えるごみの日 …

唇を指で触って他愛のない時間を幸せと名付ける恋人たち 小さな我が子の命の煌めきを抱きしめて感じる母親 清々しい顔で空を眺める余命幾許かの老人 詰り合っても夜になればまた夕食を囲う家族 やっと見つけた夢の端っこさえも掴みきれずにもがく若者 コーヒ…

価格

あの人が描いた絵 可愛いのに憎らしくて好き もう描かないと知ったのは、少ししてからのこと 何気なく手に取った小説が大切な本になっていた 絶版になったのはずいぶん前と知ったのは最近になってから 確かにあるものが不確かな心を動かす。 怖いくらい冷静…

だけど、僕は

君の体は嘘をつく その度に僕の目を塞ぐでしょ 君は僕の鈍感さを責めるけど君だって大概だね。 君の瞳は嘘を見る その度に僕の口を塞ぐでしょ 鋭くもなく研がれることもないナイフを背中に忍ばせて 気付いてるよ。気付いてることにも気付いてるでしょ。 だけ…

グラタン

今日の空はくもりがち 気温も下がって布団に包まってテレビに齧り付くふたり 録画しておいたドラマもバラエティーもいいけどね ドキュメンタリーを観て涙を流す君が綺麗だよ 優しさが具現化されたみたいな存在なんて思ったよ、言わないけどね。 テーブルの上…

ひと駅歩く

今日はダメダメな日 空回りのし過ぎで目が回ったくらい スマホのメッセージもあの子の近況も見る気になれなくて電源切った つり革握りしめて窓に映った顔がブサイクで嫌になるなぁ いつもは通り過ぎるだけの駅に降りて一駅歩こう 深い意味なんてないからヒー…

さいほう

君の言った通りに愛の端っこをつまんで引っ張ったら 綺麗にほつれて 取り返しがつかないくらいにばらばらだ 手を伸ばしてもう一度 縫い直そう 面倒くさいけど それが一番 面倒じゃない

色即是空ダンス

123を待たずに始まるステップ 心苦しい場所からのエスケープ 君の知らない僕は、今頃どこかでダンスの真っ最中 全てを知った風な君の纏わりつくような笑顔が気色悪くて大嫌い だから目を閉じている 目を閉じて踊り続けているんだ 空気を汚す君の浅はかで無知…

かわいい - EP

音もなく知らぬ間にね引き寄せられた 運命論者じゃないけど抗えないものが確かにあった 飛び交う憶測も君とならいいんだ 繋ぎ合った手を見つめても一つになれないもどかしさを感じます。 普通に好きだよ。 新しい景色に怖がってばかりの私はもういないみたい…

夜明け前はひとり

キズナナクシタナクシタノハナクシタナリノナクスベキリユウガアッタカラ 掛け違えたボタンを直すこともしないで引きちぎった 言い訳を用意したままの二十面相 駆けあがることのない階段の前で立ち尽くしてる 振り返っても懐かしい声なんて聞こえない 少しの…

Train

電車は走る 風を切る 憂欝も喜びも希望も悪意だって乗せて走る。 いつか堰き止めたはずの思いも電車の揺れでグラついてる。 乗らないことを決めた日に限って定刻通りに来たりして窓に映ったマヌケな顔 車内に響く子供の声に明日を信じてみたくなる プレゼン…

youth

自意識過剰な季節の風がスカートを揺らす。 髪を切ってなりたい自分には程遠いことがわかったのが一昨日のこと それなのにまだ君がちらつかせる期待にドキドキする私は馬鹿だ。 なにかの本で読んだ。私たちは今、群青の中にいるらしい その正体はわからない …

無策

見覚えのある銃弾が僕を撃ち倒した 血は流れるけど痛みは感じない もうとっくの昔に置いてきたものを懐かしむのはやめちゃいたいね 銃弾は紛れもなく僕が作り上げたもの 誰かが弾倉に込めて引き金を引いただけ それを責める術を僕は知らない。 大丈夫、引き…

タイミング

この雨は君のものじゃない まして僕のものでもあるはずがない 許し合ったって抱き合ったって明日は来るの アスファルトのまだ濡れてない所だけが僕らの逃げ場所 秘密の一つや二つ大きく息を吸い込んで飲み込んであげるよ だってそれはお互い様だもんね 帰り…

harmfulness

有形無形の僕らは傷つけ合って笑い合って 後悔して離れ離れになって忘却を繰り返す 有耶無耶な僕らは他人の痛みに鈍感で 後出しじゃんけんに心なんて痛まない。 目に見えぬ名もなき者が誰よりも強いふり 街じゃイヤホンで下向いて歩くだけ 声なんて出す勇気…

死ねるほどに嫌い

16:34 この時間に現れる夕暮れが嫌い 突き刺す光が頬を撫でながら僕の首を絞めるんだ 眩しいのに目を閉じれない僕は立ち止まって動けないまま 街では人波が揺れる。この街にはもう隙間さえなくなった 居場所なんて最初からないのにこの喪失感はなんだろう 帰…

Penny Rain

アスファルトに暖かさなど感じない それでも頬をくっ付けて倒れたまま 動けない動きたくない 割れた窓ガラスから見る空は雨が降っている。 この程度の小雨に折れそうな軽い魂が憎しみを込めた弾丸を持ち歩く 雨じゃ血は洗い流せない 流させてたまるかよ 掬い…

Rain,Pain

雨音は優しく平穏を必死に演じる 取り留めのない会話で紛らわす 温かい灯がともる部屋 今までも、これからも続いていく痛み この雨に洗い流されることのない痛み それを誰かに生きてきた軌跡なんて言われて持て囃されることのない痛みでも 上手くやっていく…

Autoportrait

忘れたい記憶が絵画になって飾られた館 鮮明で丁寧に描写される様に皮肉が込められてる。 仕方がないから目を閉じて歩くけど出口に辿りつかない 上階から聞こえる声に聞き覚えなどないのに呼吸が乱れて手の震えが止まらない 抗えない波の中に呑み込まれたよ…

風が吹く日に

頭を突き刺す風の音 五体満足の体が鬱陶しくなる午後3時 夜にもなれない空が時間を持て余してる 勝手に迷子になった世界がまた自然のせいにして罪を見て見ぬふり 優しい音楽に縋って窓の向こうを見つめてるよ 今日はこんな日でいいよ こんな日でいいからさ

うごかない頭の詩

38.8度と笑えない頭痛 飲み込むタブレットが幸福論者の証。

secret war

機関銃で僕を撃ち殺した。撃ち殺した。 砂に帰っていく死体 誰も骨は拾ってなどくれない。 遺書なんて風に吹かれてどこかへ消えた まるで昨日までの希望のように この死はニュースに取り上げられることもなく数字の上に計上されるだけ どこかの国のよくわか…

Character-A

君が忘れた月を僕は見つめている。 夜が短いことを憎んでいた僕らの物語にエンドロールが流れて2年半 あらすじにさえ結末が表記される始末。 確かにあった痛みも情熱も簡潔に一行にまとめられる。 句読点のなかに詰め込まれた感情は誰が掬ってくれるんだろう…

allegory

怪獣は深い眠りにつく傷だらけで血だらけ だけど誇らしげに朝を迎えるんだろう。 怪獣が守ったのはあの娘の命だけじゃない僕らが手にできなかった尊厳や勇気、希望 それらの戦利品を大事そうに抱いていた。 怪獣が見る夢は血生臭くない明日のこと どこまでも…

湖畔

空白は埋まらないまま 僕と君は互いに向こう岸を見つめたまま動けないでいる。 「臆病なんだからふたりきりでいよう」って言葉は壊れた足枷みたいだ 遠い記憶に束ねられる水面に浮かぶ映像が揺れる 宝箱の中身は変わらないのに時が経てばガラクタになった。 …

あふれそうだよ

カーテン開けたらやわらかい日差しが僕らを包んで まるで今日からの招待状 なにもかも許された気分になる。 時計の針を気にせずに隣り合うふたり 主観的に見て素晴らしいね。 あふれそうだよ 抱き寄せたときの肌の隔たりがもどかしい あふれそうだよ 今まで…

便箋

色のない街で君から手紙を受け取った。 常套句の書き出し なんだ手紙も色を失ってる。 君の心配事なんて僕でさえ容易に推察できるから最後まで読むのが億劫だよ だから大丈夫、絶望なんて日常茶飯事 感情なんて細胞のひとつ 死んだら再生するだけ だから大丈…

雨音とノイズ

さっきまでの青空が嘘のように穏やかじゃない色した雲が空を支配する。 風が強く吹いて前髪が目に突き刺さる スローモーションのように見えた風の流れと雨粒 まるで君の流した涙のようだね。 それにしても雨、雨が嫌いな僕に降り続ける。

Girl

誰かの真似して始めたタバコがやめられないままキスをして コーヒー飲み干す君が可愛かった 部屋にはなにもなくて食べかけのポテチと重なり合うふたりだけ 生活の匂いを拭えないふたりは時間を食べるだけ それでも遠い目で見つめていたものは未来だった やり…

naturally

枯れゆく木々と鱗雲 それを突き抜けて過ぎ去った飛行機 見上げる景色だけは綺麗な狭い部屋 街の喧騒は夕暮れなんかよりも切なくて痛い記憶を思い起こさせる。 窓枠で切り取られたこの街は僕のもの いくら踏み潰されても愛してた。 性懲りもなく欲しがる姿は…