涙なんて流せない

いらなくなった翼を毟る手が赤く染まっても涙なんて流れない

「遠くからやってきた」君はそれだけ言ってこの街を愛そうとしていた。

夜明けを待つ人々の群れ 見たことのない花 雪の降る街

そのすべてをキレイだと言って泣いていたね

いつか壊れていくものは人間だけなのかな?その答えは未だ見つからないまま

この街で呼吸する君がなにより美しいと本気で思っていたよ

この街の夜は明けたよ 君にも見せたかったけど

君は血に染まった翼だけ残してどこかへ行ってしまった。

そんなこと人々は忘れてしまってお祭り騒ぎ

君がいなくなった街を君はまだキレイって言うかな