角膜

乱反射、瞬く間に細胞を殺して去っていく

すべての色彩は混沌と化すけど心地いいよ

懐かしささえ感じてしまうなんて上手いことできた世界だね

さよなら元気でね。息を殺してまで縋ったはずの世界

深く呼吸をするとこんなに気持ちがいいんだね さぁ早く荷物をまとめよう。

でも本当に必要なものなんてあまりなかったんだ

両手が空いたらな今度は本当に大切なものだけを守ることにしよう。

小さな決意を凍らすように色彩は日常を取り戻す。

クリアになっていく視界は、最早 僕のものなんかじゃない

返してよ あんなものでも僕の世界だったんだ 唯一の世界だったんだ

戻ってきた世界は、不甲斐ない僕でさえも単純に見えてしまうほどだった

小さな決意はまだ、炎を燃やしていたようだ。