どしゃぶり自転車

どしゃぶりのなか、自転車を見つめて立ち尽くす君に空は何色に見えるのだろう?

素知らぬ顔で大きめの傘を差して立ち去る僕の冷たさは、この雨に勝るだろうか

声は雨音に掻き消され 頼れるものは鼓動だけ

どしゃぶりのなか、自転車を見つめて立ち尽くすだけを嫌った君が

空を裂くようにずぶ濡れのまま跨った自転車で漕ぎ出す。

雲は君から逃げ出すように 雨は君を避けるようにどこかへ行ってしまった

今の君は空が何色に見えるだろう?