よくある話と今更の話
僕から離れて行った言葉たちが宙に浮いて迷子みたいな顔で僕を見つめる
僕は言い慣れた「ごめんなさい」を言いかけたけど あれ、どこ行った?
またひとつ僕から言葉が離れて行く からっぽになったら今度は僕が宙に浮くのかな?
説得力の欠片もない話を繰り返して呆れる君の横顔にも気付いてたのに何もできない
裸眼じゃ変わり続ける景色に気付かないのが僕の現実です。
君が使ってた椅子の周りに君が飲み込んだ言葉がいくつも転がっている。
失くして初めて気付く後悔とかよくある話に落ち着くのかな。
床に散らばった言葉を掻き集めて抱きしめても 何を今更。
僕から「今更」が離れて行けばいいのに。