火葬場の煙

針の動かない時計台の上で突っ立っている 街は動き出して呼吸は苦しくなっていく

ヘッドフォンで逃避したら 何かが壊れて何もかもが聴こえなくなったよ

しがみ付いてた思い出にさえ疑われて足が竦む

まるで砂漠にある船のよう 行き場を失くして佇んでいる

振り返ったところで軌跡など砂に消されてるだけ

風に煽られた火葬場の煙が目に染みる 流れぬ涙は皮肉じみている。

あと少しって呟いたら幾分か楽になれたんだ

不必要な感情だけが手足や心臓を眼を動かしていたなんて今さら気付いても

面白味のない冗談の枠に収まって忘れられていく

それを悲しいと思うには理由が無さ過ぎる。