影踏み

木々揺れる午後 ふたりに向かい風が吹く

空を見上げる横顔は、こんなに近くにいるのにあまりに遠すぎる。

空を舞う鷹に有り余る孤独感を重ね合わせているのだろう

見え隠れするその想いと目が合うたびに刃で貫かれた気持ちになる

ねぇこの心は、君にこそ救い出してほしいのに

ねぇこの心は、行き場を失くしたウサギと同じ

命は、この道程のよう歩けば歩くほどに残り少なくなっていく

いつか死んでしまう君にばれぬように影を踏んだ