転んで足を挫いて蜃気楼の向こう側、君の笑顔が脳に焼付いた

 なにがそんなに嬉しいんだよ。差し出す手さえも信用できない

君は点字ブロックを踏んで歩いて僕の中途半端な道徳観を刺激する。

下品な笑顔に八重歯が見える。美しい君を引き立てるように風に髪が靡く。

知った風な言葉を吐きながら口を開く素晴らしく綺麗だよ。

この先にある未来に期待する、鈍くなった脳と鼓膜に

人生が如何にくだらないかを教えてよ。

真剣な顔して近付いて僕の頬を撫でて君は言う

明日、また暑くなりそう

 煙に巻かれて咽て今日が終わる。