サヨナラホームラン
渾身のストレートを投げ込んだ 力のないスイングが打ち上げた
打球の行方をただ見つめるだけで何もできない
誰にも負けないはずだった 負けて涙を流すなんて惨めなだけだし
終わらない日々を手に入れられるって本気で考えてた
太陽の熱さなんて グランドが照り返す温度なんてもろともしないよ
こんなんじゃない こんなんじゃない こんなはずじゃないのに
打球はスタンドに届いた
大きな声援が何も聞こえなくなって膝から崩れ落ちた
汗か涙かなんて分からないままに泣き濡れて地面を握りしめた爪に土が入ってきた
それでももう一度ここに立ちたいと思えた
もうサヨナラなんてごめんだ