耳を塞いでも聴こえてくる。目を閉じても浮かんでくる。

あたしの日常にどっしりと腰を下ろしているくせに

何食わぬ顔でこの部屋を出て行くんだね。

昨日のタバコの匂いがまだする部屋でひとり コーヒーを飲み干した。

あなたに買ってきたはずなのにね だんだんと染まっていくのがわかる。

シーツの汚れは渇いたのにあたしの心は渇かないまま

すべて忘れたくないのに信じたいあたしが、いつも頼りない

それでも、あたしの日常は、ぎこちなく始まっていく。