2019-08-12 煙 耳を塞いでも聴こえてくる。目を閉じても浮かんでくる。 あたしの日常にどっしりと腰を下ろしているくせに 何食わぬ顔でこの部屋を出て行くんだね。 昨日のタバコの匂いがまだする部屋でひとり コーヒーを飲み干した。 あなたに買ってきたはずなのにね だんだんと染まっていくのがわかる。 シーツの汚れは渇いたのにあたしの心は渇かないまま すべて忘れたくないのに信じたいあたしが、いつも頼りない それでも、あたしの日常は、ぎこちなく始まっていく。