波よ連れてって

揺れている。だってここは、海の上

月は白くて漂う僕を照らし続ける。僕は、月から目を逸らせない。

遠くで音がする。ピアノみたいな音。聴いたことのないメロディ

その音に詩を乗せてみたりするくらいには余裕があることには驚いた。

あの月が割れる頃には、岸辺に辿り着いて 素敵なメロディの主に会いに行こう。

思いついた詩が如何に軽い言葉の羅列かを気付く前に見せに行こう。

音が消えないことを簡単に信じてしまう。僕は、あの頃と一つも変わらない

月が堕ちても変われないのだろう。