物件

誰かの言葉を借りて君に向き合っていたとき

血流も良くて日当たりも良くて風通しも好きだった

言葉でいっぱいになった鈍体の中に君は居場所を探すことに嫌気さしたんだ。

 

君の背中に浴びせる言葉が見つからない体中言葉だらけなのに

今さら、頼りない声帯を呪った。

 

どうせいつか汚いものまで綺麗な言葉で纏めるんだろうけど

この新鮮な汚れた感情はこのままでいて

収納の少ない物件で良かった。