情けない男と歌
「安~い」深夜の通販番組 一時期は凄かったと言われているタレントの甲高い声が響いてる。その一時期は凄かったタレントにモーニングコールされてぼやけるテレビを睨む
深夜3時に君はいない
この狭い部屋が少しだけ広く感じる。
いつの間にか寝ていた自分に嫌悪感を抱きながら耳にイヤホンを挿して見向きもされないバンドの曲を再生してコンビニに向かう
情けない男の心情を吐露するその歌の「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」なんて歌詞を小馬鹿にして笑ってみた
温かい光を放っているように見えるコンビニ こんな時間に店員は店先に居ない
君の分の朝飯と甘いやつとビールも買って帰ろう
二本目のビールに手を伸ばして気付いたよ
昨日の夜に君が出て行ったこと もう戻って来ないこと もう会えないこと
ビールも朝飯も甘いやつも ひとり分にして「ありがとうございました」って言葉を背に店を出た
いつもの半分の重さの袋を持って 耳にイヤホンを挿して情けない男の歌を再生した。
「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」なんて歌詞を小馬鹿にして笑ってみた....