幕は閉じる

用意された最高の舞台 孤独感を噛み千切って翼を広げ飛び立つ。

照明が照らすのは、心のほころび 必死に演じ切り隠し通したい

太陽に近づき過ぎて燃え尽きてしまった鳥に想いを馳せた頃に開演のブザー

くだらない台詞を頭に詰め込んで物語を進めていく

呼吸ひとつ一挙手一投足に観客は息をのむ。

なにもかも決められた世界で誰よりも輝くの ありふれた物語の中を藻掻き続けるのよ。

たとえ広げた翼が脆くとも少しでも太陽に近づきたい

クライマックスを迎えて容赦のない拍手が会場を包み幕は閉じる。

飛び方を忘れて人間に戻っていく私は、太陽に近づけないまま翼を閉じる。